片手鍋で揚げ物は可能? アルミ製雪平鍋の使用について

普段の料理で油を少なく使いたい時や、後片付けを簡単にしたい時には、小さな鍋が便利です。

そこで、「アルミ製の片手鍋、つまり雪平鍋で揚げ物をしても大丈夫かな?」と思うことがあります。

実際、雪平鍋を使って揚げ物をすることはできます。

しかし、いくつか注意すべき点があります。

この記事では、次のような疑問に答えます:
– アルミ製雪平鍋で揚げ物をすることはできるの?
– 雪平鍋を使った揚げ物の特徴は何?
– 雪平鍋で揚げ物をする際の注意点は?

雪平鍋で揚げ物は可能?

雪平鍋を揚げ物に使う場合、いくつかの点に注意が必要です。

アルミ製の雪平鍋は、「温度が急に変わりやすい」「取っ手が木製のものが多い」「片手で持てるサイズである」といった特徴があります。

これらの特性から、理論的には揚げ物には向いていないとされています。

そのため、雪平鍋を揚げ物に使う場合は、そのデメリットを受け入れる必要があります。

積極的にはおすすめしませんが、不可能ではありません。

雪平鍋が揚げ物に適さない理由

雪平鍋ではなぜ油の温度が安定しにくいのでしょうか?

アルミ鍋は、油の温度が安定しにくい傾向があります。

美味しい揚げ物を作るためには、「油の温度を安定させること」が大切です。

食材を入れる度に温度が下がってしまうと、揚げ物が油っぽくなってしまいます。

そのため、特に少量の油を使う家庭の揚げ物では、重い揚げ物鍋が推奨されています。
これは、重い鍋ほど熱容量が大きいためです。

熱容量は「比熱×密度」で計算されます。

アルミニウムは密度が低いため、食材を入れると温度変化(油の温度低下)が大きくなります。

そのため、アルミ鍋で美味しい揚げ物を作るには、「油の量を増やして温度低下を最小限に抑える」ことがポイントになります。

油を節約するために雪平鍋を選ぶのは、本末転倒です。

例えば、
理想的な揚げ物を作るために必要な油の量は、「材料の10倍以上の重さ」「材料の3倍以上の高さ」「材料が表面積の1/3程度になる広さ」とされています。

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このことからも、揚げ物鍋には熱容量の大きな重い鍋(鉄鍋や鋳物ホーロー鍋など)を使うと、少ない油でも良い仕上がりになります。

鍋底に食材がくっつく?

アルミ鍋で揚げ物をすると、食材が鍋底にくっつくことがあります。

少ない油で雪平鍋を使うと、食材がくっつきやすくなります。

これは、食材がアルミニウムの熱を奪ってしまうためで、表面が焼き固まる前にアルミニウムの金属面と食材のタンパク質が結合してしまうからです。

熱容量が小さいため、熱伝導率の良さが逆効果になることがあります。

熱伝導率の良さは、揚げ物鍋としてはメリットになります。

熱伝導率に優れた素材の揚げ物鍋を使うと、油が均一に温まりやすく、仕上がりが良くなります。

そのため、天ぷら店などでは銅製の揚げ物鍋が好まれますが、アルミニウムは(厚板でない限り)熱容量が小さいため、銅鍋のような効果は期待できません。

雪平鍋で揚げ物をすると食材が鍋底にくっつくのは、熱容量が小さいためです。

雪平鍋での揚げ物は何に注意が必要?

雪平鍋を使って揚げ物をする際、取っ手が焼ける恐れがあります。

雪平鍋の取っ手は通常、木製であり、木は熱伝導率が低いため熱が伝わりにくい素材です。そのため、熱伝導率が高い素材(例:銅、アルミニウム)で作られた調理器具(雪平鍋、卵焼き器、親子鍋など)の取っ手に木が使われることがあります。

揚げ物には160~200℃の高温が使われますが、一般的な木材の着火点は400~450℃です。しかし、170℃という比較的低い温度でも、長時間の加熱により木材が炭化したり低温発火する可能性があります。

150℃でも、長時間木材を加熱し続けると内部の構造が変化し、炭化が始まります。これを低温炭化と呼びます。

揚げ物の温度範囲(160~200℃)で木製の取っ手が直ちに損傷するわけではありませんが、繰り返し使用することで徐々に炭化が進みます。

雪平鍋の取っ手が損傷する主な原因は、炒め物や揚げ物による160℃以上での低温炭化です。

炒め物の場合、大きな問題にはなりませんが、揚げ物鍋としての使用は安全性の観点からおすすめできません。

揚げ物鍋に両手鍋を推奨する理由

揚げ物鍋には両手鍋が適しています。

揚げ物は高温の油を扱うため、調理中の事故を避けるためには細心の注意が必要です。

そのため、取っ手が衣類に引っかかったり、手が触れてしまうことによる転倒事故のリスクを減らすために、片手鍋は推奨されません。

特に、木製の取っ手は低温炭化による破損のリスクもあります。

このような理由から、雪平鍋での揚げ物はおすすめしません。少量の油で揚げ物をする場合は、フライパンでの揚げ焼きや、熱容量の大きな両手鍋(鉄製の厚手鍋や鋳物鍋など)の使用をおすすめします。安価なものでも十分です。

アルミ製の雪平鍋よりも良い結果が得られます。

まとめ:雪平鍋は揚げ物に適しているか?

アルミ製の雪平鍋は揚げ物には適していないと言えます。

揚げ物には温度変化が少ない鍋(熱容量の大きな鍋)が適しているため、温度変化の大きいアルミ鍋はおすすめできません。

また、雪平鍋は木製の取っ手が付いた片手鍋であることが多く、取っ手の低温炭化や転倒事故のリスクを考慮すると、使用はおすすめできません。

雪平鍋で揚げ物をする場合は以上の注意点を踏まえた細心の注意が必要です。

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