今の天気予報の精度は非常に高く、雨雲レーダーにより降雨の予測が格段に便利になりました。
しかしながら、降水量が1㎜と報告されても、思いがけずびしょ濡れになることがあります。その背後にある理由に迫ってみましょう。
天気予報の「降水量1㎜」が示すもの
数値の真実
皆さんもご存知の通り、降水量は1時間に地面に集まる水の量を表します。これには雨だけでなく、雪やひょうも含まれ、それらは溶けた状態で測定されます。水が1㎡の範囲でどれだけ積もったかを㎜で示します。
しかし、実際には降水量1㎜が1.0㎜から1.9㎜までの範囲を含むことを知っていますか？これがほぼ2㎜に迫る量であり、大きな水たまりができるほどの水量になるのです。
これが、思いのほか濡れてしまう主な理由です。
時間の影響
「1時間あたり」の降水量とは、その時間内にどれだけの水が降ったかを意味します。1時間にわたって均一に降る1㎜と、10分間に集中して降る1㎜では、体感する雨量に大きな差があります。特に後者は短時間で強い降雨となり、突然の濡れ方に驚くかもしれません。
現代の技術では雨雲レーダーが雨の停止時刻を教えてくれるため、予測が可能ですが、そうでない場合は不意の大雨に見舞われることになります。
たとえば、1.8㎜の雨が最初の30分で降り、その後止まる場合、計算上は0.9㎜/1時間とされ、公式にはほぼ無降水とされることもあります。
雪が降る場合の降水量1㎜の影響
雪の計測方法
雪は、水が凍ってできるもので、その体積は増加します。降った雪も溶かして水としての量で計測され、1㎜の降水量は大体1㎝の雪に相当します。
雪の質とその影響
雪にはサラサラしたものや湿った重いものがあり、その性質は気温に大きく依存します。0℃以上では雪がすぐに溶けやすくなり、0℃以下では空気を多く含んだ形で積もるため、より厚く感じます。
特に雪に慣れていない東京や大阪などの地域では、わずかな積雪でも交通に大きな影響を与え、しばしばニュースで取り上げられることになります。これが、降水量1㎜の雪がたとえると思わぬ問題を引き起こす理由です。
降水量1㎜という数字が、実際の天候やその影響を正確に伝えない場合があることがお分かりいただけたかと思います。数字だけに頼るのではなく、その背景を理解することが、天気とその予測に対する誤解を避ける鍵となります。特に予期せぬ気象条件下での準備や対策には、このような知識が非常に役立ちます。
降水量1㎜の量をどのように説明するか
日常生活の事例で考える
「天気予報で耳にする降水量1㎜は、実際にはどれくらいの量なのでしょうか？」この質問に対し、普段は「小雨」や「霧雨」といった表現や「しとしと」「ぱらぱら」といった音の擬音で答えることが多いですね。
さて、この量を容器で表すとどうなるでしょうか。
例えば、1平方メートルあたり0.1㎝の水が積もると計算すると、それは1リットルの水量と等しくなります。これは、500mlのペットボトル2本分に相当し、10分間に降るとしたら約166ml、つまりは一般的な紙コップ一杯分の量です。
しかし、雨は通常、もっと広範囲にわたって降ります。例を挙げると、10キロメートル四方で1㎜の雨が降った場合、総量は約10万トンにもなります。
これを小学校のプールで例えると、約278プール分になります！この比較はスケールが大きすぎて、実感が湧きにくいかもしれませんね（笑）。
個人的には、「ラーメンを作る際に使う水の量」ぐらいがちょうどいいと感じます。
実際に家で紙コップ一杯分の水をじょうろで地面に撒いてみると、「やや湿った」くらいの感覚になりました。
このような実験なら、自宅でも簡単にでき、子どもたちにも説明がしやすいでしょう。
動画を利用して伝える
単に言葉で雨の量を説明するのは難しい場合、YouTubeを活用するのが効果的です。動画を通じて実際の雨を見ることができ、雨の音も聞けます。
長野県の霧の森の映像や、国外の映像もアクセス可能で、激しい雨の映像なども楽しむことができます。
また、雪に関する映像も日本気象協会が提供しているため、これらを利用することで、子供たちにもわかりやすく説明することが可能です。
「津軽恋女」に歌われる七つの雪の話は今回調査できませんでしたが、これについても将来調べてみたいです。
降水量1㎜と報告された時の真実とは？
天気予報で報じられる降水量1㎜が、予想以上に濡れさせることがあります。これは、数値の解釈と時間の取り扱いに関するある種の「トリック」が影響しています。
天気予報において「1㎜」と発表された場合、その量は実際には1.0㎜から1.9㎜までと広範囲にわたることがあります。これにより、実際には約2倍の量の雨が降っている可能性があります。
さらに、短時間で大量の降水があったとしても、1時間の平均として計算されるため、公表される降水量は実際より少なく見えることがあります。時には「0㎜」と報告されることさえあります。
雪の場合は、降水量1㎜が通常約1㎝の積雪に相当しますが、気温によっては数㎝の積雪となることもあります。特に雪の少ない都市部では、少量の積雪でも交通に大きな支障をきたすことがあります。
降水量1㎜を実際に体感してもらう方法として、紙コップ一杯分の水を地面に10分かけてまく実演や、YouTubeでの具体的な降水の映像を見せる方法があります。
これらの情報をもって、天気予報の数値を正しく理解し、雨の日でも快適に過ごすための準備ができるでしょう。
