ロタウイルスは5歳までのほとんどの乳幼児がかかる感染性胃腸炎、いわゆるおなかのカゼですが、ノロウイルスとは違い予防接種があります。
このロタウイルスの予防接種は生ワクチンの経口での接種なので、うまく飲めず口からほとんど出してしまったり、飲んだ後吐き戻したりしてしまう赤ちゃんはけっこうたくさんいます。
高価なワクチンをわざわざ予防接種するのに、吐いてしまったら効果が出ないんじゃないかと心配になりますよね。
そこでここでは、ロタの予防接種で吐いてしまった場合の効果の有無についてや飲み直しについて、ズバッと回答したいと思います。
ロタの予防接種、出したり吐き戻しても効果はあるの?
ロタウイルスの予防接種は赤ちゃんが生後6週目から24週目(ロタリックス®)まで、もしくは32週目(ロタテック®)までの間でしか受けることが出来ません。
ロタワクチンの接種は口から飲む、経口接種です。
赤ちゃんというのは、何にもしていなくても吐きやすいものです。
特に口の真ん中に入ってきたものは、舌で押し出して吐き出そうとします。
そんな赤ちゃんの間にしかできない予防接種なので、接種の時にうまく呑み込めなかったり吐き戻したりなんてことは日常茶飯事です。
せっかくワクチンを飲んだのに、さっき飲んだミルクと一緒に吐いちゃった!とか、接種の時ほとんど口から出てたけど・・・
なんてこともよくあります。
ではワクチンをせっかく飲んだのに、吐いてしまっても効果は期待できるのか?
答えは「効果は期待できる」です。
なぜなら、ロタワクチンは、赤ちゃんがたとえ吐き出してしまっても、粘膜に少量でも付いていればそこからウィルスが増殖して行くからです。
ウイルスが十二指腸内で増殖できれば、ワクチンの効果について問題はなく、免疫はきちんと出来ます。
よって、少量でも1度のみ下していれば心配はいりません。
もし、接種後すぐにミルクと一緒に吐いてしまったとしても、15分以上たっていれば再度の接種は必要ありません。
そのための2回接種でもあります。
どうしても飲み直しがしたいという場合は、2回接種の「ロタリックス®」であれば再度の接種が可能です。
3回接種のロタテックでは、再接種は出来ません。
ロタテックは2回目、3回目の接種によっておぎないます。
ではなぜ、のみ直しはしないのでしょうか?
次では、それについて書いています。
ロタ予防接で飲みなおしをしない理由
ロタウイルスのワクチンを赤ちゃんが吐き出してしまったにもかかわらず、どうしてのみ直ししないのでしょうか。
それは上でも述べたように、少量のワクチンでも胃腸の粘膜に付きさえすれば、ウイルスは十分に増殖できるからです。
ワクチン先進国の欧米での接種ガイドラインにも、「吐いた場合でも追加しなくてよい」と明記してあります。
もちろん日本の製造元の注意書きにも、追加の必要はないと書かれています。
三回接種のロタテックが飲み直しできないのは、飲み直しの請求をしてもメーカーが追加分をくれないのと、追加接種時の安全性や有効性が確認されていないからです。
二回接種のロタリックスは、直後に吐いた場合、医師が請求すると一回分メーカーが余分に用意してくれます。
がしかし、一応一度飲み下していれば全く効果を否定することはできませんし、2回目を接種すれば予防接種としての目的は果たされるので無理に副反応の危険性の高いワクチンを何度も接種する必要はないと思います。
ロタの予防接種の副作用として最も心配されるものに腸重積がありますが、ほとんどの腸重積の発症例は、初回接種から7日間に報告されているという事もあり、1回目の飲みなおしをしない医師がほとんどです。
ロタ予防接種、2回目の上手な飲ませ方は?
1回目がうまく飲めなかったら、2回目のワクチンが上手に飲めるか心配ですよね。
母乳のみで育てていると、ほかなものが口に触れると極端に嫌がる赤ちゃんが多くいますし、それは仕方がないことです。
見たこともないスポイトが無理やり口に入れられるのだから、吐いてしまうのもしかたがないですよね。
次はきちんと飲めるように、おうちで練習してみるのはどうでしょうか。
お風呂上りなどの、のどが渇いたときに白湯や糖水をスポイトで飲ませてあげると練習できます。
ロタワクチンの量は1.5㎖とごく少量なので、それを目安にした練習ならお母さんにも赤ちゃんにも負担は少ないと思います。
予防接種だけでなく、風邪薬を水に溶かして飲ませる時にもスポイトは役立ちますから、おすすめですよ。
もし1回目のワクチンの接種の時に、前後に飲んだミルクのせいで吐いてしまったのなら、2回目は接種前後の間近い時間の授乳は避けて受ければ解決できます。
1回目が上手に飲めなかったことを担当の小児科医に伝えて、対策を一緒に考えてもらうのも忘れずに^^
まとめ
いかがだったでしょうか。
ロタウイルスのワクチンを吐いてしまった場合でも効果は十分に期待できるという事や、飲み直しをなぜしないかなどについて書きましたが、参考にして頂けたでしょうか。
2回目は吐き戻さずに上手に飲めるといいですね。
スポイトの練習、余裕があればぜひやってみてくださいね。
スポイトにおっかなびっくりの、赤ちゃんのかわいい顔も見れると思いますよ^^
予防接種後、赤ちゃんからうつるのか二次感染が気になる場合は、こちらもご参照下さい。
コメント
>少量のワクチンでも胃腸の粘膜に付きさえすれば、ウイルスは十分に増殖できるからです。
増殖の場は小腸の粘膜であり、胃の粘膜では増殖しませんので胃腸の粘膜、という表現はおかしいです。正確に言えば「ワクチンが少量でも胃を超えて十二指腸まで到達すれば、ウイルスは十分に増殖できる」となります。
>ロタだけではなく、ポリオの予防接種も経口での接種ですから、練習しておいても損はないです。
ポリオが経口生ワクチンだったのは2012年8月までです。2012年9月以降のポリオは不活化ワクチンとして四種混合ワクチン(DPT-IPV)に組み込まれています。
hikarupediatricianさまへ
ご指摘ありがとうございます。
専門的には確かに、十二指腸と記載すべきでした。
分かりやすいようにと相称で胃腸と表現したのですが、厳密にいえば胃が入っているので間違いですね。
ポリオワクチンにつても確かにhikarupediatricianさんのご指摘通りです。
子供がすでに高校3年生の私の記憶に基づいた古すぎる体験談であり、調査不足でした。
記事内容を訂正し、お詫び申し上げます。
情報の正確性には今後、今まで以上により気を付けてまいります。
この度はご指摘のコメント、本当にありがとうございました。